歯を失わないために!歯周病予防検診のすすめ
歯周病は初期に痛みや腫れといった明確な症状がなく、気づかないうちに悪化してしまうことが少なくありません。
このように静かに進行する様子から「沈黙の病(サイレント・ディジーズ)」とも呼ばれます。予防のためには毎日のケアにくわえ、歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。
今回は、歯周病の基礎知識や予防検診でわかること、今日からできる予防法などをご紹介しましょう。
当院には10年、20年以上定期健診で通われている患者様が多くいらっしゃいます、口腔環境の記録も継続的に取り早期発見早期治療に役立てており重症化する前に治療提案が可能な診療を心がけております。

そもそも歯周病とは?
歯周病は、歯を支える歯ぐきや歯槽骨(しそうこつ)に炎症が起こる病気です。
歯と歯ぐきの境目にたまったプラーク内の細菌が歯ぐきに炎症を起こし、進行すると歯を支える骨が少しずつ溶け、最終的に歯が抜けてしまうこともあります。
歯周病は成人の8割がかかるともいわれ、歯を失う原因で最も多くの割合を占めています。

歯肉炎と歯周炎の違い
歯周病は進行状況に応じて「歯肉炎」と「歯周炎」にわかれます。
○歯肉炎
歯周病の初期段階にあたり、代表的な症状に歯ぐきの赤みや腫れ、出血などがあります。炎症は歯ぐきに限局しており、この段階で適切なケアを行えば健康な状態にもどせます。

○歯周炎(軽度~重度)
炎症が歯ぐきの奥にある歯槽骨にまで広がった状態です。進行すると徐々に骨が溶けていき、歯がグラグラと揺れだして、やがて自然に抜けてしまいます。骨は一度失われると再生が難しく、治療をしても完全に元に戻ることはありません。


放置するとどうなる?
初期の歯周病(歯肉炎)は痛みなどの自覚症状が少なく、気づいた時には中等度~重度の歯周炎に進行しているケースもめずらしくありません。
さらに、歯周病は歯を失うだけでなく全身の健康にも影響を及ぼし、糖尿病や心疾患、脳卒中などのリスクを高めることもわかっています。こうした全身への悪影響も、早いうちから歯周病を予防すべき理由の1つです。
歯周病の予防検診でわかること
予防検診では歯ぐきの状態を詳しく調べ、早期発見・早期治療につなげます。
以下に代表的な検査をご紹介しましょう。
レントゲン検査
歯を支える骨(歯槽骨)の状態を確認します。

歯周ポケット検査
歯と歯ぐきの間にできる溝(歯周ポケット)の深さを測ります。健康な歯ぐきは2~3㎜ですが、4㎜以上になると歯周病の可能性が高くなります。
歯ぐきの出血や炎症の確認
歯周ポケット検査の際に歯ぐきの出血の有無もあわせて確認し、炎症の程度を診断していきます。
歯の動揺度
歯の揺れ具合を確認し、骨の支えがどの程度残っているのかを診断します。

こんな人は要注意!検診をおすすめしたいケース
歯周病は誰にでも起こりえる病気ですが、とくに以下のような方は予防検診をおすすめします。
30代以上の方
加齢とともに歯ぐきや骨の抵抗力が低下し、歯周病のリスクが高まります。若い頃からのケアが大切です。

喫煙習慣のある方
タバコは歯ぐきの血流を悪化させ、免疫力を低下させます。喫煙者は歯周病の発見が遅れやすく、さらに治療をしても治りにくいため注意が必要です。
歯ぎしり・食いしばりがある方
歯ぎしり・食いしばりは歯ぐきや骨に大きな負担を与え、歯周病の進行を早めます。
糖尿病の方
歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼします。歯周病治療が糖尿病の改善につながることもあるため、早めの対処が必要です。
当院には糖尿病治療の一環として歯周病治療を行い、HbA1cの改善を目標としています。
実際に糖尿病専門医と連携して歯周病治療を行い、HbA1cの改善が認められた患者様もいらっしゃいます。
口臭が気になる方
口臭は歯周病の代表的な症状の1つです。口臭の悪化は、歯周病が進行しているサインの可能性があります。

歯周病予防のために今すぐできる3つのこと
歯周病は日常のケアと生活習慣の改善で予防できる病気です。
ここでは、今日からすぐに実践できる代表的な3つの方法をご紹介します。
①定期的な歯科検診

歯周病は、痛みや腫れなどの症状がないまま進んでしまうことも多く、「気づいたときには手遅れだった」というケースも少なくありません。
だからこそ、歯科医院の定期検診が予防のカギとなります。歯石を取ったり、歯ぐきの状態をプロの目でしっかり確認したりすることで、将来のトラブルを防ぐことができます。3~6か月に1回を目安に、歯科定期検診を習慣化していきましょう。
②正しいブラッシングとセルフケア

毎日の歯みがきは歯周病予防の基本です。しかし、「磨いている」と「きちんと磨けている」は、必ずしもイコールではありません。正しく磨けていないと汚れは残り、そこが歯周病菌の温床となってしまいます。
歯ブラシの持ち方や動かし方、デンタルフロス・歯間ブラシの使い方を知るだけで、磨き方はグンと上達します。歯科医院のブラッシング指導で、正しいケア法を身につけましょう。
③生活習慣の見直し(食生活・禁煙など)

歯周病の進行には、日々の生活習慣も大きく関わっています。バランスのとれた食事を心がけ、甘いものや間食は極力控えることが大切です。
さらに、喫煙は歯周病の進行・悪化を早める要因の1つです。禁煙・節煙を心がけることで歯ぐきの治癒力がアップし、治療効果も高まります。日常の小さな心がけが、将来の歯の健康を守る大きな力となります。
まとめ

歯周病は日本人が歯を失う原因の第一位であり、放置すればお口の健康だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。
毎日の正しいケアと生活習慣、歯科医院の定期検診で、生涯自分の歯で食事を楽しめる健康な口元を守っていきましょう。
定期健診によって早期発見早期治療を心がければ、重症化してから治療に着手するよりも結果的に医療費が抑えられることも多いです。
気になることがあればお気軽に、お早めにお声がけしていただいたらと思います。
